【自分に必要な1日のカロリーを知ろう!】
人に必要な1日のエネルギー量(カロリー)を見てみましょう。その目安としては、厚生労働省から出されている「日本人の食事摂取基準2020年版」が分かり易いです。人に必要な1日のエネルギー量は年齢、性別、ふだんの身体活動量によって変わります。
この表の見方は、例えば40歳男性で身体活動量が普通の人の場合の1日の推奨必要エネルギーは2700kcal。これを3等分すると1食あたり約900kcal食べられるという計算になります。このように1日の摂取エネルギーの目安がわかれば、1食にどのくらい食べてよいのかイメージがつかみやすくなります。
健康な体づくりには、「摂取」と「消費」のバランスが重要になります。
摂取が多く消費が少ない場合は太ります。
また、エネルギーの摂取と消費を考える上での指標として「BMI(Body Mass Index)」があります。BMIとは、体重と身長から算出できる体格指数のことで、『22』のときに高血圧や糖尿病などの病気にもっともなりにくいと言われています。
健康診断の時に記載されているのですが、簡単なので、今回は皆さん自身でBMIを計算してみましょう。
(例)体重65㎏ 身長1.65m(165㎝)の方の場合、65÷1.65÷1.65=23.8 となります。
BMIは下記が目安になります。
肥満:25.0以上(メタボ)
普通体重:18.5~25.0未満
低体重:18.5未満
BMIは身長と体重から算出するので、BMIが25.0を超えているからといって、脂肪が多いのか筋肉が多いのか判断できません。
筋肉質な人は、筋肉が重い為にBMIが高くなりがちです。反対にBMIが25.0未満で普通体重の方でも筋肉が少なくぽっちゃりしている場合、内臓脂肪が蓄積している『隠れ肥満』の可能性があります。体重、BMIだけで判断するのではなく、併せて体脂肪も必ず確認するようにしましょう。
アクトスにある体組成計では、体重以外にも体脂肪や筋肉量、基礎代謝量を測定することができます。では、自分の身体はどうなのか、実際に体組成計で確認してみましょう!
【体組成計の使い方と見方】
〇体組成計の使い方
使い方については下の動画よりご覧いただけます。
分からないことがございましたらスタッフまでお声掛けください
〇体組成計の見方
体重…測定した体重
体脂肪率…体重に占める脂肪の割合、脂肪量(kg)÷体重(kg)
脂肪量…体内に蓄積された脂肪の重さ
この脂肪量を減らすことが大切!
徐脂肪量…体重から脂肪の重さを引いた、脂肪以外の重さ
(筋肉・骨・水分など)
筋肉量…体の中の筋肉の重さ。アクトスの体組成計で表示される
筋肉は、骨格筋(体を動かす筋肉)・心筋(心臓の筋肉)・平滑筋(血管や内臓を動かす筋肉)と体水分量を含んだ値
体水分量…血液やリンパ液など、からだに含まれる水分量
基礎代謝量…生きていくために最低限必要なエネルギーのこと
1日なにもしなくてもこの分だけは消費する
筋肉量が増えることでこの数値も増える
【カロリー消費と基礎代謝について】
基本的なことですが、人は食べ物などによって摂取されたカロリー(エネルギーを表す単位:kcal)を、生きていくために消費します。この消費されるエネルギーには、次の3種類あります。
①ウォーキングや筋トレなど身体活動(筋肉運動=機械エネルギー)
⇒ここが知りたいですよね!
②体温保持のための熱エネルギー
③神経伝達のための電気エネルギー
もう一つ、重要なエネルギー消費の考え方として、『基礎代謝(量)』があります。こちらは後段で。
まず、主な身近な運動の消費カロリーを見ていきましょう。
(所要)時間 平均的な消費カロリー
<自転車> 15分 80kcal
<ジョギング> 30分 210kcal
<早歩き> 20分 100kcal
<買い物(徒歩)> 20分 70kcal
<犬の散歩> 30分 80kcal
<階段> 5分 32kcal
<掃除> 30分 100kcal
※上記は、運動の強度や体重によって変わりますので、目安としてください。
また主なスポーツを30分単位でみると、
<テニス> 210kcal
<水泳> 180kcal
<バレーボール> 120kcal
<ゴルフ> 100kcal
となります。
主婦の方にとっては、毎日の掃除でも結構カロリーを消費しており、スポーツのゴルフ並と言うことになります。
★次に、少し本格的に「消費エネルギー」について見ていきます。
『1日の消費エネルギー≒身体活動消費エネルギー+基礎代謝エネルギー』とした場合、
【身体活動エネルギーの計算式】
身体活動エネルギー(kcal)=メッツ(Mets)×実施時間(h)×体重(kg)×1.05
計算式の中にある『メッツ:Metabolic equivalents』と言うのは、簡単に言うと「運動強度」のことです。普通に座っている状態(安静状態)の時に消費するエネルギーを1メッツとした場合、その運動が何倍エネルギーを消費するのかが分かります。
身体活動エネルギーの消費量を知るためには、時間だけでなく、その運動の強度を考える必要があるということになります。
例えば、歩行速度でこのメッツを見て行くと
色々な生活活動(含む運動)の「メッツ」は、厚労省「健康づくりのための身体活動基準2023」に詳しく載っていますので、ご興味のある方は
コチラからご参照ください。因みに最初に見て頂いた身近な運動のメッツはP39~40に載っています。
また簡単に消費カロリーを計算できるサイトとしては、
生活や運動の消費カロリーの計算 – 高精度計算サイト (casio.jp)がお勧めです。
アクトスにある各種有酸素運動マシンは、その運動による消費カロリーを表示してくれるので、とっても便利です。
【1日に消費されるエネルギーの構成】
※以下の説明では「基礎代謝量≒安静代謝」としております
基礎代謝量とは、正確に言うと「心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量」となりますが、上記のグラフから、基礎代謝量(≒安静代謝とする)は、人の消費カロリーの60%以上を占めていることになります。
人は生きているだけで1日にこのカロリー分は消費します。仮に毎日寝てるだけでもお腹が減りますよね。これは基礎代謝でエネルギーを消費しているからです。またこの基礎代謝量は、年齢・性別・筋肉量などによっても数値が違ってきます。
筋肉量が多い方はこの基礎代謝量が多くなるため、筋トレ運動が重要であることがお分かりいただけると思います。
ご自身の基礎代謝量は、上記の消費カロリー計算サイトで簡単に計算できますので同サイトをご参照ください。
尚、アクトスにある「体組成計」で基礎代謝量を測れるので、ぜひ測ってみてくださいね。
因みに、40歳女性(160cm 55kg)の場合、1278.7kcal となります。
※同年齢女性の平均値:1150.0kcal
【正しいダイエットとは??】
世の中には、あらゆるダイエットの情報が氾濫しています。ただその中には、一時的に体重を減らすために、特定の食べ物など食事制限に頼るだけの身体にとっては危険な、あるいはリバウンドを招くものもあります。
私たちが考える「正しいダイエット」は、「より健康的な、その人に合ったリバウンドしないダイエット」です。
それでは、「正しいダイエット」のお話をする前に、まず「間違ったダイエット」についてお話します。
・極端な「食事を減らす」「糖質や脂質を取らない」は一時的に減量はしても、逆に痩せにくい体質を作り、リバウンドしやすくなります。
特に若い女性は、鉄分不足による貧血にもなりやすくなります。
・極端なダイエットは、人に必要な除脂肪体重(※LBM)まで減らしてしまいます。
※「除脂肪体重」とは体内の脂肪を除いた体重のことで、筋肉や骨、臓器、体内の水分など生命維持に必要な部分の重さのこと
これを栄養素で言うと、食事制限によってたんぱく質の量が少なくなると、筋肉が落ちます。筋肉が減ると、前回お話した基礎代謝が落ちることで脂肪がつきやすくなり、逆にリバウンドや痩せにくい身体になります。
また、カルシウムが不足すると骨量が減るばかりでなく、ホルモンや神経伝達にも影響し身体に不調をきたします。
「正しいダイエット」のためには、栄養素も考えることが大切であることをご理解いただけたと思います。
それではいよいよ本論「ダイエット」の対象である「脂肪」についてお話します。
大切なことは次の2点です。
(1) 脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があり、自分の体重増加の原因はどちらかを知ること
※簡便な見分け方「ウェスト‐ヒップ法」
ウェスト(cm)÷ヒップ(㎝)<1.0・・・皮下脂肪型
ウェスト(cm)÷ヒップ(㎝)>1.0・・・内臓脂肪型
(2) それぞれに合ったダイエット方法を知ることです。
【皮下脂肪】
<「皮下脂肪」とは>
皮膚の下にあってつまむことができるもので、お尻や太ももにつきやすく、「洋ナシ型肥満」のもとになります。女性の方につきやすいと言われています。
<原因>
主に前回までのお話「カロリーの過剰摂取と運動不足」により、脂肪が蓄積されることが原因です。
【内臓脂肪】
<「内臓脂肪」とは>
腹筋の内側の壁である腹腔内についている脂肪で、お腹周りにつきやすく「リンゴ型肥満」と言われているもので、男性に多い「ぽっこりお腹」のことです。
<原因>
・ファーストフードやコンビニ弁当など食生活の偏り
・運動不足
・飲み会など飲酒が多い
・ストレスや喫煙などです。
この「内臓脂肪」は、様々な生活習慣病を引き起こす原因ともなるので、より注意が必要な肥満です。
ダイエットをしたいと思われている方の中でも多くの方が、今までも何らかの「ダイエット」と言われるものを試されているのではないでしょうか?
でも「なぜ「ダイエット」は失敗する?」ことが多いのでしょうか?
その原因には、
①ダイエットに関する正しい「情報」を知らない
②自身の身体のことや(食)生活習慣なども原因をちゃんと見ていない
➂短期間に成果を出したいと思っている。または出せると思っている
④少しぐらいなら無理をしても頑張れると思っている
➄無理な目標を立ててしまう
⑥簡単そうな方法を選んでしまう(サプリや小道具)
⑦商品を売るための言葉巧みな宣伝や広告に飛びついてしまう
⑧知識が無いためあまり効果の出ない方法をやっている
⑨1人でこそこそやると、モチベーションが下がって続かない
などがあります。
今さらと思われるかもしれませんが、これがなかなか難しいんですよね。
でも逆に言うと、この原因の反対のことをすれば成功する(リバウンドしない)確率はぐんと上がるわけです。
成功するためのキーワードは、
「知る」
「無理しない」
「コツコツ」
「サポート」です。
その上で、「正しいダイエット」の本質は「生活習慣の改善」とも言えます。
それでは前置きはこの辺にして、「正しいダイエット」の方法について、お話して行きます。
ダイエットの基本は、「摂取カロリー(食事)<消費カロリー(運動)」です。ここは必須です。ダイエットの目的である「体脂肪」には、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があるとお話しましたが、基本的にはやることは一緒だと思ってください。
違いは、「見た目(体型)が気になる脂肪」と「病気(糖尿病などの成人病)のもとになる脂肪」と言う点です。また皮下脂肪は落ちにくいため時間がかかり、内臓脂肪は皮下脂肪より優先的に消費されることです。
ダイエットの方法と言う点においては、同じ「食事管理」と「身体活動(運動)」となります。
次に目標(目安)についてですが、アクトスがお勧めするは、『1か月で1kg減』です。
1か月で1kg減なんて簡単にできる、物足りないと思われた方もおられると思いますが、
1か月で1kg体重を減らすのではなく、
『1か月で1kg体脂肪減』です。
※1kgの体脂肪:1リットルの牛乳パックより少し大きいくらい
体脂肪は、1kgあたり約7,000kcalに相当します。
この約7000kcalを運動で短期間に消費しようとしたり、極端な食事制限によって削ろうとすると、仮にできたとしても、逆にストレスが溜まりリバウンドします。”1か月1kg減”くらいのペースで、小さな工夫を積み重ねながら、コツコツと少しずつ減らしくことこそ、成功への早道です。
具体的な方法についてお話します。
① 体重を毎日計り、記録しましょう
➢体重計に乗る回数が多いほど、体重が増えにくく減りやすいという研究報告があります
➢まずは自分の体重を知り、日々(出来れば、朝晩2回)の変動を記録する
➢BMI値や体脂肪率が計れる体組成計があればベスト。習慣化できる所に置く
② 1日約240kcal減の食事を心がける
➢1日240kcal減の食事を1か月間毎日続ければ、1か月で体脂肪▲1kg = ▲7,000kcal
➢間食(お菓子類)を減らす
➢ストレスが溜まるようなら、その分消費するための運動(ポテトチップス1袋300kcalとして半分食べたら、ジョギングを30分してチャラ)をする
➢間食をカロリーの少ないもの(ヨーグルトや果物など)に代える
➢思っている以上にお酒はカロリーが高いので、食事と合わせてカロリーコントロールする。例:日本酒1合(196kcal)ワイン1杯(58kcal)
➢食事のカロリーコントロール:同じようなメニューでもカロリーの低いものに変える
➢その他:ゆっくり食べる、小さめの食器を使う、誘惑に近づかないなど
③ 極端な糖質や脂質のダイエットは危険
➢極端な糖質ダイエットは脂肪肝を招くリスク
➢ご飯の代わりに肉や魚を取ろうと思い、たんぱく質を取り過ぎると、腎臓に負担がかかり腎機能低下のリスク
➢脂質には必要なビタミン吸収をよくするなどメリットもあり、脂質ダイエットは肌荒れなどの要因にもなります。
食事管理と共に大切なのは身体活動(運動)です。
太る原因(脂肪が付く)は、食生活だけが原因ではなく、それに見合った身体活動(運動)量が少ないからです。
④歩くこと
➢1日+10分間歩く(30kcal)ことで、年間約10000kcal、1.5㎏の減量です。少ないようですが、低いハードルを越え続けることが行動変容に繋がります。
➢いつもより、背筋を伸ばして前を向き、手を大きく振って大股で早く歩くだけで、運動量が約30%程度上がります。この方が見た目も若く見えます。
⑤ 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、自転車)
➢無酸素運動との区別は、長く続けられるか否かの違い
➢有酸素運動は酸素を取り込んで、脂肪を燃やし運動のエネルギーを生産
➢長時間続けられるため、総消費カロリーを多く出来るため、ダイエットに向いている
➢それぞれの運動についての消費カロリーは↓
1Kgの体脂肪を落とすのに必要な時間!有酸素運動ランキング
⑥無酸素運動(筋トレ)
➢無酸素運動は、筋肉中に蓄えられている糖質(グリコーゲン)をエネルギー源としている
➢無酸素運動が有酸素運動よりダイエットに向いていないと言われるのは、脂肪を燃焼させないからではなく短時間のため消費カロリーが少ないため
➢消費カロリーが摂取カロリーを上回ることで減量は出来ますが、必要な筋肉も一緒に低下してしまうため、筋肉を戻すためには、筋トレも必要➢有酸素運動と筋トレを同時にやる場合は、運動の順番は、『筋トレ→有酸素運動』の順番で行いましょう。筋トレから先に行うことにより脂肪燃焼の効率がアップします。
最後に纏めです。
『正しいダイエット』をするためには、
1.正しい知識を知る
2.自身の1日の「摂取カロリー」と「消費カロリー」を知る
3.自身の体重・体脂肪率などを把握して、無理をしない目標を立てる
4.カロリー収支をマイナスにするために、コツコツできる習慣(食事管理と運動)を決め、実践する
【バランスのよい食事】
「バランスの良い食事」って、難しそう?! 私にはまず無理…(^^;)と思われている方、今回はちょっとした工夫(考え方)で出来そう♪と思える方法をご紹介します。
それは、日本の家庭に昔から伝わる和食の献立
「一汁二菜」を基本とした食事です。
簡単に言うと、「主食(ご飯)」と
「汁物(具入りみそ汁など)」一つ、
「主菜(肉や魚)」と「副菜(野菜)」
二つの献立です。これに漬物など(副々菜)を付ける場合もあります。
★要は、茶碗とお椀とお皿二つあればOKなんです!!
これは洋食の場合も、ある程度当てはまりますよ。
もう少し具体的には、
【主食】炭水化物(糖質):ご飯、パン、麺類
体を動かすエネルギー源
【主菜】タンパク質・脂質:肉、魚、大豆製品、卵
体を構成する筋肉や皮膚・髪の毛などを作る
【副菜】ビタミン・ミネラル・食物繊維:主に野菜
体の調子を整えたり、骨や血液のもとになる
【汁物】≒副菜:具(野菜)を入れた味噌汁など
水分をとれることと、食事を食べやすくする効果
洋食の場合、牛乳などの乳製品や野菜スープ
★「三大栄養素」:①糖質 ②脂質 ③タンパク質
これに④ビタミン⑤ミネラルを加えて五大栄養素とも言います。
≪ポイント≫ ~量や品数は?~
- 「タンパク質」は主菜1品から
タンパク質は、比較的エネルギーが高めなので、主菜のみとし、副菜や汁物には使わないのがポイントちなみにご飯の前にタンパク質を先に食べることにより、“痩せホルモン”と呼ばれる『GLP-1』が分泌されます。この痩せホルモンには満腹感を持続させたり、食欲を抑える効果が期待できます。
★適量:1食につき60gが目安=手のひら大
② 「脂質(あぶら)」は1食につき1品まで
あぶら(油脂)は、1gで約9kcalと高エネルギーです。60gの油脂が540kcalとすると1時間以上のジョギングしないと消費されないカロリーに相当します。
揚げ物や炒め物など油を使った料理は、出来るだけ1品とすることで、それだけで油の取り過ぎを押さえることができます。
③ ビタミン・ミネラル・食物繊維の1日の目安
野菜 :350g以上(きのこや海藻類も含めて)
いも類:100g
果物 :250g
乳製品:250g
最後に注意点をひとつ
和食は世界が認める「ヘルシーフード」ですが、味付けに『塩』を使うことも多く、塩漬け保存食も多いので塩分の取り過ぎには注意してください。